サントリーに1.4兆円融資

企業向け融資の裾野が広がってきた。融資では過去最大級となる。企業のM&Aを追い風に、他の大手銀行も大型の買収関連融資を手掛けており、銀行の貸し出しが伸びる環境が整ってきた。

全国銀行協会によると、銀行の貸出残高は昨年12月末まで28ヶ月連続で前年同月比プラス。これまでは海外や電力会社向け融資がけん引してきたが、足元で変化の兆しが出てきた。日銀の統計で分野別の貸し出しをみると、化学、輸送用機械、通信などの分野で伸び率が大きくなっている。

背景には企業のM&Aに伴う旺盛な資金需要がある。昨年9月、ソフトバンクが米スプリントの買収費用として1兆9800億円を3メガ銀行やドイツ銀行などから借り入れたほか、LIXILグループも独企業の買収に必要な1600億円あまりを三井住友銀行などから調達した。

企業買収などに伴う貸出は「インベストファイナンス」などと呼ばれ、1回あたりの金額が大きい。サントリーは買収に必要な160億ドル(1兆6500億円)の8割以上を三菱UFJ1行から調達する。つなぎ融資の期間は最長1年程度とみられる。三菱UFJはサントリーとの強固な関係を生かして、新たな資金調達の枠組みも主導する考えだ。格付け会社はサントリーの負債が大幅に増えるため、格下げを検討している。サントリーは買収効果を明確に説明することが求められる。

銀行法は銀行が過度なリスクをとることを防ぐため、1社あたりの融資額を銀行の自己資本の40%までと定めている。三菱東京UFJにあてはめると、限度額は約6兆円となる。この規制は今年中に厳しくなるが、すぐに上限に抵触することはなさそうだ。

日銀による金融緩和で、銀行は余剰資金を抱えている。優良企業は低い金利で資金調達できる環境にあり、攻めの海外M&Aを後押しする一因になっている。メガバンク幹部は「電機や電力など業績が低迷する企業向け融資に加え、前向きの投資に絡む資金需要が出てきた」と話す。今後は国内の設備投資が本格的に伸びてくるかも焦点だ。

公的資金、豊和銀が申請へ

政府は2年ぶりに公的資金を金融機関に注入する。大分県の第二地方銀行、豊和銀行が15日、金融機能強化法に基づく公的資金の申 請を発表した。地元の中小企業を支援するため、公的資金で銀行の資本増強を後押しッする。2014年3月期決算から適用される新た な資本規制で、金融機関の貸し出し余力が落ちないように配慮した。

国が銀行、信用金庫、信用組合に公的資金を入れるのは、12年12月の山形県のきらやか銀行とぐんまみらい信用組合以来。強化法 に基づく金融機関への公的資金の注入件数は26、類型学は5910億円。豊和銀への注入は100億円を超える見込みで、施行から約10年 で6000億円を超える。

豊和銀は不良債権処理で自己資本比率が下がった06年に強化法に基づき90億円の公的資金を受けた。その後、不慮債権比率は低下 したため当時の公的資金を返済し、今回、新たに公的資金を申請する。今年度内にも手続きを終えたい考えだ。権藤ちゃんは15日 の会見で「収益力、効率性は業界上位に入るまで改善した」と述べた。

金融庁は成長戦略を金融面で下支えするため、昨年9月に公表した監督方針でも信用金庫、信用組合も含め積極的な公的資金の活用 を呼びかけた。

銀行は自己資本を100億円増強すれば貸出余力が1000億円増すといわれる。使える公的資金の枠はなお11兆円超が残っている。

強化法は17年3月末で申請期限を迎える。豊和銀と同時期に注入した紀陽銀は昨年、公的資金を完済。北海道の北洋銀行も完済する と表明している。

景気判断引き上げへ

政府は1月の月例経済報告で景気の基調判断を昨年9月以来4か月ぶりに引き上げる。景気は「緩やかに回復しつつある」としてきた 昨年12月までの判断を「緩やかに回復している」に変え、回復の動きが一段と強まっているとの認識を示す。景気回復に伴うボー ナスの増加や、消費増税前の駆け込み需要もあり、個人消費が活発化してきたことなどを踏まえて判断を上方修正する。


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