住宅、消費増税後の対策急ぐ

住宅メーカーが消費増税後の反動減を少なくする取り組みを本格化している。大和ハウス工業(1925)は物流や商業施設の建設を強化、タマホーム(1419)は首都圏で住宅展示場を拡充する。来年4月に消費増税が実施される場合、現行5%の税率を適用するには9月中に契約を結ぶか、来年3月中に引き渡す必要がある。足元で受注は急増しているが、10月以降の落ち込みをどれだけ抑えられるかが株価の先行きを左右しそうだ。

三井ホーム(1868)は8月の戸建て住宅の受注が前年同月より32%増、住友林業(1911)は33%増となった。大和ハウスやパナホーム(1924)も2割以上伸びている。各社とも9月も堅調で、それだけに10月以降は反動減への警戒感が強い。

タマホームは4月に東京都江東区豊洲の総合展示場に出展したのに続き、9月には横浜や千葉県でも出店。首都圏を中心に2014年5月期に総合展示場を活用した拠点数を前期比3割増の80にする。タマホームは首都圏の販売割合が15%と他の住宅大手に比べ小さい。首都圏でシェアを上げ、消費増税による反動減の影響を吸収する狙いだ。

ミサワホーム(1722)は来月、二世帯住宅の新商品を発表する。2つの住宅が完全に分離しているのが特徴で、広い土地を所有する顧客を取り込む。

大和ハウスは強みを持つ物流・商業施設の建設を首都圏中心に進める。営業利益に占める戸建て住宅の割合が他の住宅メーカーより低く「駆け込み需要がなくなった後、他社より評価されそう」(クレディ・スイス証券の望月ちゃん)との指摘が出ている。

マンションも駆け込み需要が顕著。不動産経済研究所によると、8月の首都圏の販売戸数が前年同月比53%増と大きく伸びており、消費増税後の落ち込みが懸念される。もっとも都心のマンションでは消費税のかからない土地の値段が販売価格に占める割合は高く、影響は戸建てほど大きくない。

野村不動産ホールディングス(3231)などが東京都世田谷区で開発するマンション「桜上水ガーデンズ」は年内に販売開始する予定だが、販売戸数の500戸強に対して既に資料請求は5000件に上る。「特に消費増税の影響は受けていない」(野村不HDG)という。

前回に消費増税を実施した1997年度には、住宅着工戸数が前年度比18%落ち込んだ。今回は住宅ローン減税の拡充など落ち込みを少なくする政策がとられている。足元の活況の背景には景気浮揚への期待や金利の先高観もあるとみられ、前回ほど反動減はないとの見方も多い。

住宅大手各社の株価は年初と比べると大きく上昇しているが、反動減の警戒感から足元で伸び悩んでいる。目先の焦点は10月の受注動向。JPモルガン証券の穴井ちゃんは「10月の住宅受注が1ケタ減にとどまれば、株価は反転するだろう」とみている。

NISAで脚光 インデックス投信

2014年から少額投資非課税制度(日本版ISA=NISA)がスタートするのに備え、資産運用会社が相次いで株価指数などに連動する「インデックスファンド」の品ぞろえを強化している。みずほ銀行とみずほ証券は米運用会社ブラックロックと連携してNISA向け投信を新規に開発。三井住友トラスト・アセットマネジメントはラインアップの拡充を検討している。

ブラックロックは26日、不動産投資信託(REIT)とコモディティー、金価格の指数に連動する投信を5本設定する。みずほグループと共同で手掛けた「i-mizuho」シリーズで、すでに投入した株式と債券型を含めると合計22本にのぼる。

特徴のひとつがコストの低さ。運用手数料である「信託報酬」は、国内の債券型・株式型が0.4%未満、海外の債券型・株式型で0.6%前後。国内公募信託の多くは1%を超える。

「i-mizuho」シリーズは、ノーロード型ファンドとして設定され、販売手数料もかからない。「30〜50代の現役世代を中心にしつつ、ネットを活用する層をメインターゲットとしている」(みずほ銀行コンサルティング営業開発部の山中ちゃん)といい、みずほ銀行とみずほ証券はインターネット専用投信として販売している。

三井住友トラスト・アセットが新規設定を検討しているのは、為替ヘッジ付の海外債券指数と、米株式指数に連動するファンド。現在9本の「SMT」シリーズを充実させる方針。同じグループの三井住友信託銀行はNISAが始まる14年1月に向け、 SMT」シリーズを軸に各種インデックスファンドの取り扱いを拡大する見通しだ。

三菱JFU投信もインデックスファンドの「eMAXIS」シリーズに、米株価指数に連動するタイプを追加し、合計13本となった。ファンドの特徴などを紹介するパンフレットなどを新たに作製し、NISAを手掛ける証券会社や銀行に積極的に売り込んでいく構えだ。

NISAは利益がでれば税金がかからない半面、損失が出ると通常の課税口座よりもむしろ不利になる。信託報酬などのコストが低く、その分だけ利益が出やすいとされるインデックス投信が注目を集めそうだ。


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