生保の外積投資、米金利次第

生命保険会社の外積投資が盛り上がらないままだ。財務省の統計によると、生保は中長期の外積を8月まで4カ月連続で売り越した。日銀が4月に新たな金融緩和に踏み切った直後は「生保マネーが外積になびく」との観測が広がった。5か月たっても日本国債に携行した運用は変わらない。

生保は為替ヘッジ付きで米国債に投資する機会を慎重に探っている。金利環境の面では、今ほどの好機はないようにも見える。生保が投資判断上、重視する「長短利鞘」の日米格差が広がっているからだ。

長期金利の水準から短期金利の水準を差し引いた長短利鞘。この数値を日米で比べ、米国が日本を上回る幅が大きければ大きいほど、生保は米国債投資を手掛けやすくなるのだ。

理由はヘッジの仕組みにある。生保は米国債を購入する一方、期間1〜3か月程度の先物を使ってドルを売り、為替変動リスクを消す。債券保有中、こうした短期のヘッジを繰り返す。その際、ヘッジ機関に相当する短期金利の日米格差がコストになるのだが、それを相殺して余りあるほど、長期金利(国債利回り)の日米格差があれば、日本国債に投資するよりも米国債を買った方が有利になる。

長短利鞘の日米差を見ると、昨年から拡大に転じ、今年8月に2%台に乗せた。9月以降も広がっている。2002〜03年や09〜10年など、2%台が定着すると、生保の外積投資は膨らむのがこれまでの経験則。では、今回はどうか。

リスク回避後退 ルピー買戻し

日経通貨インデックスを構成する25通貨中、先週最も上昇したのはインドルピー。中国景気の持ち直し期待が高まったほか、米国のシリア攻撃の可能性が薄れたことで世界的に投資家のリスク回避のムードが後退。これまで売り込まれてきたルピーに買戻しが入った。ノルウェークローネも上昇。10日発表の8月の消費者物価指数が前年比2.5%上昇と市場予想w大きく上回ったことで同国の利下げ観測が後退。通貨が買われた。

下落が目立ったのはインドネシアルピア。資源輸出の減少と国内の景気拡大による輸入増で構造的に経常赤字が拡大。マネー流出が続いた。

三菱・モルガン、証券連合が躍進

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG、8306)と米モルガン・スタンレーが日本国内の証券子会社を統合して3年。発足した2つの証券会社が投資銀行業務で成果を上げ始めた。サントリー食品インターナショナル(2587)のIPO(新規株式公開)やオリンパス(7733)など今年の大型増資案件を手掛け、日本企業のM&Aでも存在感が向上。今年のM&A助言業務のラインキング(リーグテーブル、トムソン・ロイターまとめ)では8月時点で首位に立ち、昨年の5位から順位を上げている。

金融危機が深まった2008年にMUFGが米モルガンに90億ドル出資して始まった両社の関係。MUFGにとってはこれまでの郵政ん株からの配当収入に加え、持分法利益が収益押し上げ要因となってきた。13年1〜3月期には米モルガンが9億5800万ドルの純利益をあげ、MUFGには約200億円の持分法利益が生じている。

MUFGと米モルガンの協業の柱が2つの証券会社。旧三菱UFJ証券が母体の三菱UFJモルガン・スタンレー証券と、旧モルガン・スタンレー証券が母体のモルガン・スタンレーMUFG証券だ。当初は日本の証券ビジネスを1社でする方向だったが、日米金融当局の要請で米モルガンがグローバルに手掛ける株式売買部門を分離。海外の株式売買を担うモルガンMUFGと、投資銀行や個人向け業務などを手掛ける三菱モルガンの2社が10年5月に発足した。

両社の強みは親会社の持つ国内外のネットワークと、豊富な資金量だ。例えば昨年の電通(4324)による総額4000億円の米イージス艦買収。イージスと別の会社の戦略提携が不調に終わったことを米モルガンがつかみ、電通に買収を持ちかけた。三菱モルガンが電通側のアドバイザーとなり、三菱東京UFJ銀行が買収資金と提供。「一気通貫のサービスを提供できる強みを発揮できた」(三菱モルガンの中村ちゃん)

「三菱」と「モルガン」の看板を使い分けられるのも利点だ。サントリーホールディングスとキリンホールディングス(2503)の統合交渉時には、三菱系のキリンHD側のアドバイザーだった。しかし、その後サントリー食品がIPOする際にも主幹事に選ばれている。モルガンがIPOに関しサントリーt以前から協議を続けていた点が評価されたためだ。

「三菱側は任せるところはしっかり任せてくれた」(旧モルガン・スタンレー証券出身の中堅幹部)。当初は「官僚的な三菱とウォール街流のモルガンではうまくいかないだろう」など揶揄する声もあったが、投資銀行業務で定評のあるモルガンが実質的に手動する体制にしたことが奏功した。


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