大手銀、投信の販売急伸

大手銀行5グループで投資信託の販売が伸びている。2012年度の販売額は合計で前年度比2割増の5.4兆円となり、08年9月のリーマン・ショック前の水準を上回った。安倍政権が発足した昨年末ごろから販売が加速。株高を背景に個人マネーが預金から株式投信や不動産投資信託(REIT)のファンドに流れ始めた。

5グループのうち、みずほフィナンシャルグループ(傘下銀行の合算)など3グループでは年間の投信販売額が過去最高を更新した。三菱UFJ銀行では3月単月、三井住友銀行は1〜3月の販売額が過去最高となるなど、各グループとも政権交代があった昨年12月以降に投信販売が勢いづいている。

販売額で上位を占めているのは、株式投信やREITに投資するファンドといった値上がり益が見込める半面、元本割れのリスクが相対的に高いもの。みずほの3月の販売額上位5つのうち3つが株式投信かREIT型だった。銀行窓販の売れ筋は安定した分配金が期待できる債券を中心に運用する投信だったが、主役が交代しつつある。

「新規の購入者が増えた」〈三井住友銀行)のも特徴だ。りそな銀行では3月に、これまで投資経験のない顧客の投信購入が1.6倍に増えたほか、三井住友信託銀行では別の投信からの乗り換えを除いた販売額が倍増した。預金などを下ろして新たに投信を購入するケースが増えており、「預金から投資へ」の流れが生まれつつある。

インフレ下では預金は不利になるとの見方も出始めた。将来、物価が上昇すると預金の価値が実質的に目減りするリスクがあるからだ。2%の物価上昇率目標を掲げる日銀が大規模な金融緩和に踏み切ったことで「実質的な資産価値を保つために資産運用を始めるケースが増えている」(三井住友信託)という。

りそな銀行は4月に株式投信「りそなノミクス」の販売を開始。安倍政権の経済政策「アベノミクス」で恩恵を受けろうな企業の株式に投資する投信で、発売から3週間で予定額の100億円を販売。4月30日からは追加募集を始め、すでに30億円超が売れた。

みずほは近く「米国エネルギー革命関連ファンド」を発売する。新エネルギー「シェールガス」の開発本格化を踏まえ、同国でエネルギー開発を手掛ける共同投資事業(MLP)に投資し、高い分配金を目指す。各行とも預金からの資金シフトを意識した商品の準備を急いでいる。

中国でコンサル 顧客情報活用 三井住友カードが開始

三井住友カードは8日、中国に進出した日本の小売業やホテル向けにコンサルティング事業を始める。ポイントカードなどの顧客情報を活用。年齢や商品購入の傾向といった属性のデータを蓄積して分析し、商品販売に生かすように提案する。

カード情報を使ったコンサルはに日本で展開しており、この手法を中国にも持ち込む。3月には同社初の現地法人を上海に設立した。小売業など約200社をリストアップしており、2013年度は10社の契約獲得を目指す。

中国ではポイントカードやプリペイドカードの普及が進み、現地に進出した企業が独自にカードを発行する例もある。ただ顧客の名前と電話番号を紙の台帳で管理するだけなど販売促進に生かしていないケースも多い。


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