インドネシア銀に出資

三井住友銀行がインドネシアの年金預金銀子(BTPN)の株式取得に向けて交渉を進めていることが27日、分かった。米投資ファンド、TPGから40%の持ち分を取り、TPGに代わって筆頭株主になる。取得額は1500億円程度に達する見通しで、邦銀のアジアでのM&A案件としては過去最大となる。

早ければ5月中にもTPGと株式取得で基本合意する。その後、インドネシアの金融当局や中央銀行の承認を得たうえで、出資を完了する。

BTPNは総資産約6000億円の中堅銀行。約90万の預金口座を持つほか、インドネシア国内250の年に1100を超える支店網を持つなど、個人や中小企業取引に強みを持つ。

三井住友銀はアジアで個人向け預金や貸出を含む商業銀行の業務を手掛ける方針だ。なかでも人口が2億人を超え、金融市場が拡大するインドネシアを有望な国と位置付けており、出資を機に個人取引に本格参入する。日本でのきめ細やかな金融サービスも取り入れ、これまで手掛けてきた大手企業向け取引だけでなく、個人や中小企業の顧客基盤を広げる。

インドネシアは規制上、外資系企業による銀行への出資比率の上限が原則40%となっている。上限までの取得をめざし、交渉条件の最終的な詰めを急ぐ。

3メガバンクは海外業務の拡大を進めており、アジアでも現地銀への出資を加速させている。出資規制が厳しいアジアではこれまで1000億円未満の出資にとどまっており、今回は邦銀のアジアへの投資額で過去最大となる見通しだ。

三井住友銀は昨年12月、香港の東亜銀行の株式を追加取得したほか、カンボジアやミャンマーにも出資している。

金融庁本体で監視へ

金融庁は27日、米金融業者のMRIインターナショナルが日本の投資家の運用資金の大半を消失させた問題で、再犯防止策の検討に入った。同社は日本支店が東京・千代田区にあり、監督や検査は地方組織の関東財務局が担当していた。一定以上の運用規模を持つファンド会社などの所管を専門家が多く情報が集まりやすい金融庁本体に移すことが柱となる見通しだ。

銀行や証券会社はすでに大手は金融庁、地方銀行や地場証券は各地の財務局が所管している。一方、ファンド会社や投資顧問会社といった金融商品取引業者は規模を問わず、地方財務局が所管している。AIJ投資顧問による年金消失事件の際も、財務局による監督が一部で問題視された。

金融庁が運用額などが一定規模以上のファンド会社を監視すれば、不正の予防や早期発見につながる可能性がある。

MRIは2008年、ファンドを販売する金融商品取引業者として関東財務局に登録。日本で約8700人から1365億円の資金を集めたとしている。

ただ財務局は被害に遭った投資家から苦情が来るまでは対応せず、今年3月になって初めて日本支店に検査に入って不正を確認した。

同社はホームページで実現が容易でない年6.0〜8.5%という高利回りを約束するなど不審な点が多く、早期に検査に入っていれば被害拡大を防げた可能性がある。関東財務局には虚偽の事業報告書を提出し、預かった資金を運用せずに別の顧客への配当に回す不正を隠していた。

大手ファンド会社を金融庁で所管するには、関係する政令や施行規制を改め、新たに人員を配置する必要がある。証券取引等監視委員会は26日の強制捜査で押収した資料を分析中で、今後被害の事態を把握する。金融庁はこれを受けて再発防止策を正式にまとめる。

金融庁が今国会に提出した金融商品取引法などの改正案には、うそをついて顧客を勧誘した運用業者への懲役刑や罰金を引き上げることが盛り込まれている。AIJ投資顧問による年金消失事件を受けた措置だが、MRI問題の再発防止にもつながることから、早期の成立・施行を目指す。

ファンド会社などの金融商品取引業者は各財務局に登録すれば、営業が可能。自由に参入できる体制を維持するため、金融庁は登録制度の見直しは見送る方針だ。


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