FX、手数料上昇のなぜ

円安の進行で外国為替証拠金(FX)取引に注目が集まっている。FX会社には追い風のはずだが、実質的な取引手数料の引き上げを迫られる業者が続出している。なぜなのか。

FX取引の実質的な手数料を「スプレッド」(通貨の売値と買値の差)と呼ぶ。FX会社は個人投資家との取引で、外貨の売り渡し価格と買い取り価格に差を設けて収益源にしている。投資家からみれば、その差が売買コストだ。

これまではスプレッドの縮小を競い合ってきたが、一転、拡大に転じる動きが相次いでいる。業界大手のインヴァスト証券は2月に主要12通貨ペアのスプレッドを拡大。FXプライムやマネーパートナーズがユーロ・円で広げて続いた。

日銀の大胆な金融緩和で円安が進み、FXに参戦する個人投資家も増えている。だがスプレッドの拡大に動いた会社の幹部は「取引が増えるほど会社の収益が減る」と口をそろえる。

からくりはこうだ。FX会社は外貨市場に直接参加できる銀行から外貨を調達している。相場変動が大きくなると、市場で思い通りの価格で売買が成立しにくくなるので、銀行はFX会社との取引で示すスプレッドを広げることが多い。その結果、FX会社の取引コストが高まってしまう。

多くの企業はコスト浄書うを投資家に転嫁せずに顧客集めを優先してきたが、「そろそろ限界」(FX会社幹部)というわけだ。強まる体力勝負の様相。皮肉にも、相場の大変動が業界再編の引き金を引く―。市場の狂騒の陰で、そんな予兆も漂い始めた。


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