短期金利、ゼロに近づく

日銀がオペ(公開市場操作)を通じて買い入れる国債の落札利回りが急低下している。正副総裁の交代を控えて、日銀が金融緩和を強めるとの観測が拡大。日銀が4日に実施したオペでは、満期までの期間が1年以下の落札利回りがゼロ近辺となったもようだ。日銀の買い入れが増えるに従い、短期金利はマイナスまで下がる可能性があるとの声も広がっている。

落札利回りが急低下しているのは、日銀が銀行券の発行残高の見合いで国際を買い入れる従来型のオペ。日銀が4日に実施した満期まで1年以下の国債の買いオペの落札利回りは「ほぼゼロ%近辺で決まった」(短資会社)との声が出ている。市場で取引される1年以下の国債の利回りは0.06〜0.08%前後とされている。日銀のオペの相手先となる金融機関が、市場実勢を超える高い価格(低い金利)で応札したもようだ。

予想以上に強かったオペの結果を受け、3カ月物や6カ月物の国庫短期証券(TB)にも金利低下への圧力がかかっている。流通市場ではTB3カ月物の利回りが前週末比0.01%程度低い0.04%で取引された。

短期ゾーンの金利が軒並みゼロに向かって低下してきているのは、短めの金利の国債に品薄感が強いことが背景にある。日銀は金融緩和策として、これまで残存期間が1年〜3年の短めの国債を大量に買い入れてきた。このため「満期1年以下は、元から市場に多く存在しない」(証券会社)という。日銀の買い入れが、結果的に短期ゾーンの国債の流動性を著しく低めている形だ。

日銀と金融機関の直接のやりとりが増えるほど、市場を通して資金を取引する必要性は薄れる。足元の状況に、2001〜06年に量的緩和・ゼロ金利政策を実施した際に起きた「短期市場の死」の再現を予感する声も増えている。この局面で金融機関は市場部門のコストを賄う運用益を上げることができなくなり、短期市場に絡む資金や人材の流出が目立った。

個人のFX活発化

個人投資家の外国為替取引証拠金(FX)取引が活発化している。急激な円安の進行が一服し、相場の動きと逆方向の売買をする「逆張り」を好む個人が取引しやすくなった。円に対して買った外貨を、利益の確定や損失の限定のために決済する動きも本格化してきた。

東京金融取引所のFX取引「くりっく365」では2月の取引数量が1月より2.5%増え、2か月連続で前月を上回った。2012年3月以来11か月ぶりの高水準だ。

足元で円は1ドル=95円程度でもみ合っている。2月の値幅は4円弱と、5円近くだった昨年12月〜今年1月より大幅に縮小した。外為どっとコム総合研究所の神田ちゃんは「円安の進行速度が鈍ってもみ合い相場となったことで、かえって個人が取引しやすくなった」と分析する。

個人は円安局面では円買いを膨らませ、円高が進むと円売りに動く「逆張り」が主流だが、昨年末以来は円安のペースが急すぎて「逆張りの円買い」が膨らまなかった。しかし、2〜3月にはイタリア総選挙などの結果を受けて一方的な円安の動きに歯止めがかかり、「逆張り」に動きやすくなった。

FX取引から遠ざかっていた個人も戻ってきた。08〜12年半ばにかけての円高局面で含み損を抱え、FX取引から一時的に離れた投資家も多い。取引を再開し、塩漬けにしてきた外貨を利益確定や損失限定のために決済する動きが広がっている。持ち高を整理した一部の投資家は新規取引にも動いているもようだ。

日銀金利上げなら家計の負担増す

年動金利型の住宅ローンを利用してマイホームを取得する世帯は依然多く、金利が上昇した場合に家計の負担が拡大する懸念がある。

新規の住宅ローンに占める変動金利型の割合はリーマン危機後に3割から5割に上昇したまま高土間っている。家計は日銀が今後もゼロ金利を続けると踏んでリスクをとっている恰好で、日銀が将来引き締めに転じる際には負の影響が強まる。

固定金利型でもフラット35は融資審査の甘さが指摘されている。住宅金融支援機構と提携する民間金融機関が担当するが、機構がローン債権を買い取ってくれるためだ。機構は再建の買取り原資を投資家に発行するMBS(資産担保証券)の代金で賄っている。

会計検査員は昨年10月、フラット35の審査を改善するため、機構に金融機関への指導を求めた。消費増税前の駆け込み購入を抱え、一段と慎重な対応が求められる。


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