金利上昇 備えじわり

生命保険会社や銀行が金利上昇リスクに備え始めた。大手生保4社は、会計上の特例措置を使い債券の価格変動を損益に反映しないで済む「薄価評価」への切り替えを進めている。今期は薄価評価に替えた債券を昨年3月末比で15%弱増やした。3メガ銀行も、保有する国債の平均残存期間を3年以内に縮め、金利反騰の影響を抑えている。

大手生保4社が余裕する債券残高は昨年9月末時点で約61兆円に上り、3メガ銀の国債残高は約108兆円に達した。株式を減らし、債券を増やしてきた運用の結果、足元は金利低下(債券価格は上昇)局面で、生保や銀行は多額の売却益や含み益を確保してきた。

短期的に金利が急上昇することを予想する市場関係者は少ない。ただ、金利が大きく反騰すれば、一転して評価損が膨らみ収益を圧迫する。債券の保有額が増えているだけに、金利上昇リスクへの対応を急いでいる。

生保は、超長期の資産運用にあたる保険会社に特例的に認められた会計上の特例措置を使い、保有債券の評価をその時々の相場変動を反映させる時価評価から、取得時の価格である薄価評価に切り替えている。こうすれば金利上昇で債券の時価が大幅に下落しても評価損を計上せずに済み、長期の国際を保有しやすくなる。日本生命保険などは資産と負債の平均期間を合わせる目的で積極的に活用してきた。

昨年4月から9月末までに第一生命保険は約1兆2000億円、明治安田生命保険は約1兆円の債券を薄価評価に移行した。10月以降も薄価評価する債券残高(昨年末時点)は昨年3月末比で15%増の約41兆円に増えた。

投信残高、日本は9位

日本には世界2位の規模の個人金融資産1500兆円がある一方、投資信託の残高は世界9位にとどまる。世界の主要国に比べ投信の普及が遅れている。

世界最大の投信残高を誇る米国では1980年代から、確定拠出年金での資金運用に投信を活用する個人が増えて投信市場の拡大に寄与した。今や残高は円換算で1000兆円を超える。調査会社リッパー・ジャパンの篠田ちゃんは「米国では老後に備えた資産形成に投信が活用され、長期投資に繋がっている」と解説する。

日本の倍の残高があるオーストラリアは、90年代に強制加入の私的年金制度を導入したのをきっかけに、個人マネーが投信に向かっている。英国でも90年代のISA(少額投資非課税制度)の導入により、投信残高が伸びた。投資を促す政策が普及を後押しする例が目立つ。

日本では金融機関の販売戦略が、残高の伸び悩みに影響している点も見逃せない。証券会社や銀行は窓口で投信を販売すれば、販売額の3%前後の手数料が手に入る。投資家に長期に保有してもらうより、目新しいファンドを投入して買い替えを勧めがちだ。その結果、なかなか投資家のすそ野が広がらない。

2012年末の公募投信の残高は64兆円と、リーマン・ショック前の約80兆円(07年末)をまだ下回っている。

ローン免除、8代疾病に拡充

三条信用金庫(新潟県三条市)は重い病気で働けなくなった場合に残高の返済を保障する住宅ローンを拡充した。これまでは急性心筋梗塞、がん、脳卒中の三大疾病が対象だったが、糖尿病などを含む八大疾病に広げた。三井住友海上あいおい生命保険と共同で証券開発した。借入の上限額は5000万円。利便性を高め顧客獲得を目指す。


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