国内裕福層 開拓競う

大手銀行が企業オーナーらの裕福層を対象にした金融サービスを競っている。高度な資産運用を手掛ける証券会社との連携などを梃に取引拡大を狙う。裕福層取引は国内市場で拡大が見込まれる数少ない分野。伸びる需要を捉え、個人部門の収益源に育てる。

三菱UFJフィナンシャル・グループは、金融資産1億円以上の裕福層との取引を強化するため、三菱UFJメリルリンチPB証券を完全子会社にする。バンク・オブ・アメリカグループが持つ株式(49%)を約390億円で買い取る。

取引拡大を目指しているのは企業のオーナー。オーナー層の預かり資産残高は9月末に2兆4000億円となり、1年間で2000億円増えた。相続業務に強い三菱UFJ信託銀行や三菱UFJモルガン・スタンレー証券との「銀信証」の連携が実を結んでいる。

有価証券の売買注文を銀行が受け、証券会社に取り次ぐ金融商品仲介では、9月末で2兆円と中堅証券並みの規模になっている。将来、裕福層になり得る顧客との取引も重視する。提携する米モルガン・スタンレーとの関係強化も検討する。

三井住友銀行は、裕福層取引で英バークレイズと組み、顧客に合った投資方法を提案したり、オーダーメード型の金融商品を提供したりしている。全国36の地域に裕福層営業の専門班を設置。金融資産1億円以上の約2万人の資産運用や事業継承の相談に応じる。

今年度から法人担当部門とオーナー層の営業を一体的に手掛ける体制も整えた。4〜9月期の法人・個人部門が協働してあげた収益は前年同期の1割強増えた。

みずほ銀行は全国に約1500人の担当者を配置してオーナー層の顧客を開拓している。社会保障と税の一体改革で相続税が課税強化される方向で、資産管理会社の設立や所有地の有効活用など具体的な対応策を指南する。相続相談もグループのみずほ信託銀行と一体であたり、4〜9月期の遺言信託の契約は前年同期比で3割増えた。

スマホ使い口座開設

ネット専業のじぶん銀行はスマホのカメラ機能を使い口座を開設できるサービスを12日から始める。運転免許証を撮影すると氏名、住所、生年月日を自動的に読み込み、電話番号などを追加で入力すれば、手続きが終わる。

これまでは本人確認書類を郵送する必要があtり、申込みから利用開始まで2週間程度かかっていた。口座開設専門のアプリを提供し、最短5営業日に縮める。

専用アプリは、文字を読み取ってデータ化する技術を使い、偽造免許証を見分ける機能もある。じぶん銀行はスマホを使った利用が全体の6割を占める。スマホ利用者をさらに取り込む。

資金繰り悪化懸念 中小・零細の6割

来年3月末に控えた中小企業金融円滑化法の期限切れで、中小・零細企業が資金繰りに不安を抱えている。全国商工会連合会が参加の企業に聞いたところ、回答した企業の半分近くが円滑化法によって借金の返済猶予を受けていた。6割弱の起業が資金繰り悪化を懸念している。

全国の町村にある商工会が、2327社の経営者からこのほど聞き取り調査した。回答した企業の95%が、従業員20人以下の零細企業だ。具体的には元本の返済猶予を受けた企業が6割弱に上った。

「金融機関は地域の起業の実情に合わせて支援を継続してほしい」(飲食・宿泊業)との声が多い。「職員で対応に大きな差がある」(小売業)や「銀行から定期的な訪問や電話さえない」(製造業)との声も少なくない。金融機関の経営支援に不満や不安を抱く零細企業が多いとみられる。


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