街角景気が改善

内閣府が10日発表した11月の景気ウオッチャー調査は、経済活動を映す「街角景気」の現状判断指数が前月より1.0ポイント高い40.0となり、4か月ぶりに上昇した。円高基調が一服したためだ。一方、雇用環境の悪化で消費者心理は冷えており、景気の先雨季には不透明な面も残る。

11月の判断指数は家計、企業、雇用の全3分野が改善したが、好不況の分かれ目である50を7カ月連続で下回った。内閣府は街角景気の基調判断を「引き続き弱い」と前月から据え置いた。数か月先を占う先行き指数も7カ月ぶりに改善した。

11月は「家計」「企業」「雇用」の全分野が改善した。2〜3か月後を占う先行き判断指数も前月比0.2ポイント高い41.9となった。先行きの指数は7か月ぶりに改善したものの、「雇用」の見方は再び悪化した。

調査機関は11月25日〜30日で、11月中旬から下旬にかけて進んだ円安を反映して「自動車部品の輸出環境がやや良くなっている」(東北・一般機械器具製造業)などと好感する声が相次いだ。

家計の動向では、11月中旬からの冷え込みで「冬物衣料の売り上げが急速に回復している」(北海道・百貨店)、「鍋物、冬物商品がよく売れている」(東海・スーパー)との声が出ている。

懸念されるのは雇用情勢だ。足元では「年末に向けて派遣社員の依頼数が増えている」(南関東・人材派遣会社)との声がある一方、これまでの企業業績の悪化を背景に「製造業などでは求人の動きが悪くなっている」(東北・職業安定所)と先行きへの不安感が強まっている。

11月の企業倒産 12%減の964件

東京商工リサーチが10日発表した11月の企業倒産件数(負債額1000万円以上)は前年同月比12%減の964件だった。2か月ぶりに前年同月を下回り、11月としては過去20年間で最少だった。中小企業金融円滑化法などの政策効果で倒産が抑制された。

負債総額は40.6%増の2638億3600万円だった。負債100億円以上の大型倒産が5件発生し、負債総額が膨らんだ。原因別では、販売不振や赤字累積などの「不況型」倒産が全体の82.6%を占めた。政策効果が下支えしているものの、業績回復が遅れて倒産する企業が多いという。

法人減税 再び焦点

衆院選で焦点の経済活性化策の一つとして、各政党が法人税率の引き下げを提唱している。約40%だった法人税の実効税率は約35%に下がることになっているが、企業の国際競争力を高めるには一段の減税が必要との見方があるためだ。各党は起業を応援する税制の充実にも前向き。足元の法人税収はピーク時の半分以下で、財政再建には納税する起業を増やすことも課題となる。

法人税率の引下げは、みんなの党が「実効税率を20%へ減税する」として今より4割程度下げることを公約に掲げた。自民党は「国際標準に合わせて思い切って減税する」としており、公明党や日本維新の会も法人税の減税を謳っている。

民主党政権は地方税と併せた法人税の実効税率を約5%下げた。しかし、東日本大震災からの復興にかかわる費用をひねり出すため、2012年度から14年度までの3年間は法人税額の10%が「復興特別法人税」として上乗せされる。このため法人税の本格的な引き下げの議論は、15年度以降になる公算が大きい。


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