景気「ミニ後退」の兆し

内閣府は7日、10月の景気動向指数を発表し、判断を「悪化」に下方修正した。ただ州か月先の状況を映す先行指数が改善に転じるなど、先行きにはほの明かりも見える。日本経済は今春からの後退局面入りが濃厚だが、中国など海外経済が持ち直せば、年内にも底打ちする「ミニ後退」にとどまるとの見方が浮上してきた。

内閣府が7日発表した10月の景気動向指数(2005年=100、速報値)は景気の現状を示す一致指数が90.6と、前月比0.9ポイント低下した。下降は7か月連続。内閣k不は一致指数の基調判断を「下方への局面変化」から「悪化」に2か月連続で下方修正した。

「悪化」は「景気後退の可能性が高いことを示す」のが定義で、景気動向指数の基調判断ではリーマン危機後の08年6月〜09年4月以来3年半ぶりだ。当時は08年3月から09年3月が景気後退期だった。今回は今年4月ごろから景気後退に入ったとみられている。

ただ10月の一致指数の低下は耐久消費財の出荷が液晶テレビなどを中心に前年比で下落したためで、鉱工業生産は4か月ぶりに前月比でプラスとなった。一致指数を構成する10指標のうち4指標は改善を示した。

数か月先を示す先行指数は0.9ポイント上昇の92.5と2か月ぶりにプラスに転じた。新設住宅の着工床面積が分譲や貸家を中心に伸びているほか、鉱工業生産財や最終需要財で在庫が軽くなったためだ。中小企業の売上見通しも7か月ぶりに改善した。

企業を抜き打ち監査 不正会計防止へ基準 金融庁案

企業の不正な会計操作を防ぐために、金融庁が検討してきた新たな会計監査基準の原案が7日明らかになった。企業に損失隠しの疑いがある場合、事業所を抜き打ちで監査するように監査法人に求める。監査法人が代わる際には、問題点の詳細な引継ぎも義務付ける。オリンパスや大王製紙などで会計にからむ不祥事が相次いだため、監査を厳しくして株式市場の信頼回復を目指す。

金融庁は11日の企業会計審議会監査部会に新基準の原案を提示。年明け以降に正式決定し、2013年度決算の監査から新基準を適用する。

対象は上場企業など有価証券報告書の作成義務がある約4200社の監査。監査法人が新基準を守らないまま粉飾決算が発覚した場合は、金融庁による業務改善命令や業務停止処分などの対象になる。監査基準の抜本改正は02年1月以来11年ぶり。

新基準は「赤字が続いている」「オーナー支配が強いなど企業統治が不透明」「海外に多数の目的不明な特別目的会社(SPC)がある」 といった会計上の不正のリスクが高い事例を列挙。こうしたチェック項目に当てはまる企業に対し、在庫や経理書類などを抜き打ちで監査するなど、不正があるかどうかを確認するよう求める。

「企業年金が重荷」7割 有力200社 2割「給付減やむなし」

有力企業の約7割で企業年金が「業績や財務の重荷」になっていることが、日本経済新聞社が最高財務責任者(FCO)を対象に実施したアンケートで明らかになった。多くの企業はこれまでも給付水準の引き下げなどで対応してきたが、なお2割の企業が「将来、給付削減はやむを得ない」とみている。団塊世代の大量退職を迎え、制度や運用の見直しに動く企業が今後増える可能性がある。

今回まとめた「CFO調査」は、株式時価総額の上位300社(金融、電力除く)を対象にアンケートを実施。197社(66%)から回答を得た。年金が業績や財務に与える影響が「重くなっている」と答えた企業は71%に達した。一方、「変わっていない」は29%、「軽くなっている」はゼロだった。

格付投資情報センター(R&I)によると企業年金の平均的な運用利回りは2010年度がマイナス0.3%、11年度はプラス1.3%。企業の多くが目標とするU%前後に届かず、資金の追加拠出を迫られる企業も多い。年金や退職金の給付水準について18%の企業が将来も「引き下げはやむを得ない」と答えた。

過去1年間でも、年金給付の基準となる利率をファミリーマートが3.5%から1%下げ、カシオ計算機も給付水準を引き下げるといった動きが相次いだ。企業は年金運用が低迷し、将来の年金払いに備えた資産が不足すると一定期間で処理しなければならない。加えて14年3月期からは積立不足が負債に計上されるようになる。財務悪化につながるだけに対応が急務となっている。


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