三井住友銀 香港大手銀に追加出資

三井住友銀行は月内に香港の大手銀行、東亜銀行に追加出資する。第三者割当増資により約350億円の株式を引き受け、出資比率を4.73%から9.5%に上げる。香港や中国本土に営業網を持つ東亜銀との関係を深め、現地の日系企業への支援を強める狙いだ。

三井住友銀行と東亜銀は4日、追加出資で合意した。両行は2008年11月に業務提携し、10年1月には三井住友銀が約170億円で東亜銀の発行済み株式の約4%を取得していた。今回の増資の引き受け後も株式配当を受ける可能性があり、出資比率は最大で9.9%まで高まる見通しだ。

香港第5位の東亜銀は中国本土に107か所の拠点がある。

銀行の出資上限引き上げ 地域献金企業が対象

金融庁は5日の金融審議会(首相の諮問機関)で、5%を上限としている銀行の事業会社に対する出資制限について討議し、地域経済の活性化や雇用維持に貢献する企業への上限を引き上げる方針を示した。不振のスキー場を集約化して新設備を導入するリゾート企業などを想定しており、銀行が自ら出資して事業展開を支援する。

出資上限をどこまで引き上げるかは今後さらに金融審で議論し、来年の通常国会に銀行法改正案を提出する予定だ。金融庁は破たんした企業に対する出資上限を撤廃する方針は表明済み。銀行が債務の株式化などに応じれば、起業が再生しやすくなるため。

一方、これまでは全ての中堅・中小企業に対する出資上限も一律に引き上げる方針を示していたが、金融審の委員の間では「銀行経営への悪影響が懸念される」といった意見が多く、金融庁は再考する方針を示した。

株の私設取引 拡大

第一生命保険や日興アセットマネジメントなど大手機関投資家が、株式の売買で「私設取引システム(PTS)」の利用を始めた。取引所を経由しない同システムを活用し取引コストを減らす。金融庁が10月末に同システムでの取引規制を緩和したことが背景だ。大手投資家が利用し始めたことで、東京証券取引所など既存の取引所との市場間競争が進みそうだ。

大手の機関投資家は11月に入り、私設取引システムを本格的に利用し始めた。市場関係者によると、野村アセットマネジメントなども含め、すでに大手10社前後が取引に参加しているようだ。

取引を始めるには社内で新たなシステムを整備する必要があり、日本生命保険は「PTSを利用するため準備を進めている」という。システム対応が終わっていない機関投資家も多く、来年前半にかけ利用がさらに広がる見通しだ。

背景には金融庁による規制緩和がある。余裕株比率が5%を超える銘柄をPTSで売買する際に、投資家にTOB(株式公開買い付け)を義務付けていたルールを撤廃した。株式を大量に保有する大手機関投資家は従来「5%ルール」に抵触することを懸念し、私設取引システムでの売買を避けてきた。

すでに私設取引システムでの売買は増加傾向にある。PTSを運営するSBIジャパンネクスト証券では、11月の1営業日平均の売買代金は516億円と前月に比べ18%増えた。野村ホールディングス系のPTS運営会社チャイエックス・ジャパンでも、同様に288億円と3%増えた。

「1日に取引する銘柄数も約1000銘柄と、100銘柄ほど増えた」(SBIジャパンネクスト証券)という。取引所では、売買価格が1株あたり最低1円単位だが、私設取引では10銭単位。投資家はきめ細かく売買できる。年金マネーの運用を受託している大手機関投資家は、顧客の年金基金などから、裁量の株価で売買するよう求められていた。

来年1月には東証と大阪証券取引所が統合し、国内の現物株取引の大半を握る日本取引所グループが誕生する。日本取引所は株式の取引速度を一段と向上し、投資家の利便性を高め対抗する。PTSと取引所の間の競争が活発になりそうだ。「日本市場全体の流動性と効率性の向上が期待できる」との指摘がある。


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